生成AIプレゼンテーション資料作成ツール「Gamma(ガンマ)」を活用して、効率的に見栄えの良い資料を作成する方法を学びます。記事を読みながら実際に生成AIを使い手を動かしながら、実践的なスキルを身につけていきます。
生成AIを使って簡単に見栄えの良い資料を作ることのできる「Gamma」というツールをご紹介します。
プレゼン資料を作成する時に、見た目に関するこんなお悩みはありませんか?
- なぜかキレイな見た目にならない…
- どんな配色にしたらいいかわからない…
- 見た目を整えるのに無駄な時間がとられてしまう…
内容のクオリティを高めたいのに、見た目まできれいに整えるのは大変ですよね。
そのような悩みは、生成AIの搭載されたプレゼンテーション作成ツールを使えば解決することが出来ます!
そこで、プレゼン資料のデザインをいい感じに整えてくれる生成AIツール「Gamma」というWebサービスを紹介します。
生成AIプレゼンテーション作成ツール「Gamma」とは
「Gamma」という生成AIプレゼンテーション作成ツールの使用方法についてご紹介していきます。
以下のGIF動画は、Gammaを使って3分ほどで作成したものです。
3分で何枚もあるプレゼンテーションシートが作成出来るんだね!レイアウトもきれいに整っていてすごい!
画像まで自動で配置してくれていて、とても助かるよね。もっと詳しくGammaについて学んでみよう!
Gammaの主な3つの特徴
Gammaには大きく分けると以下の3つの特徴があります。
特徴1:プレゼンシートやドキュメントを簡単な指示だけで自動生成
Gammaには生成AIが搭載されており、ユーザーがプロンプト(指示や質問)を入力するだけでプレゼンシートやドキュメントを生成することが出来ます。
特徴2:テキストとデザインを自動的にレイアウト
生成AIがテキストとそれに適したデザインを自動的にレイアウトしてくれます。
レイアウトだけでなく、画像までも生成して自動で配置を行うことが可能です。
特徴3:少ない指示でもいい感じのレイアウトに整えてくれる
最初の指示が少ない入力であっても、ある程度の見栄えの良いレイアウトを作成することが出来るため効率的に作業を進めることが出来ます。
特徴を一言でいうと、「簡単な指示だけでプレゼン資料をいい感じに作ってくれる」ということだよ!
Gammaの特に便利な機能
レイアウトを自動で生成
AIが文章やレイアウト、配色を提案して配置くれます。
フリー素材を探したりレイアウトを整えるのって時間がかかってしまう時が多いから、時間のかかる部分を自動でやってくれるなんて助かるね!
内容に合う画像も自動生成
大変な画像探しも、適切な画像をAIが生成してくれます。
見た目を整える仕事はGammaに任せれば、内容のクオリティアップに集中できるよ!
Pikawakaでは、Gammaの基本的な使い方を他の記事で紹介しています。
もっとGammaの使い方の基本を学びたい方はこちらの記事をご参照ください。
実際に手を動かしながら、生成AIツールの使い方を学ぼう
それでは、実際に手を動かしながら資料を作成してみましょう。
資料の作成演習の流れ
1.ChatGPTを使った筋書きの作成
資料の構成もAIで作成することで、アイデアや構成のヒントを得ることができます。
2.筋書きから自動で資料を生成
ChatGPTで生成した筋書きをもとに、Gammaを使って資料を簡単・効率的に作成する手順を実演していきます。
3.見た目を整えてくれる生成AI機能を使いながら資料の見た目をブラッシュアップ
実際に資料を作成し、Gammaの生成AIで見栄えをよくする作業を行っていきます。
ChatGPTで資料の筋書きを生成しよう
ChatGPTとは?
ChatGPTとは、OpenAI社によって開発された人工知能(つまりAI)ベースの言語モデルです。
GPT(Generative Pre-trained Transformer)という大規模な自然言語処理モデルを基盤にしており、テキストを理解したり生成したりする能力を持っています。
この技術は日々の膨大な量のテキストデータでアップデートされ続けており、ユーザーからの入力に対して適切な応答を生成することが出来るものになっています。
ChatGPTで出来ること
言語処理に優れており文章を生成出来る
人間のように言葉を理解することができ、指示や質問に基づいて意味のある返答を生成してくれます。
質問への回答や会話、文章の生成、アイディアの提供などが得意の分野となっています。
幅広い知識を提供してくれる
ChatGPTは全世界のユーザーからの膨大な情報を日々取り込み、アップデートし続けているAIです。
アップデートされていく知識の中から、科学、歴史、文化、テクノロジーなど様々な分野にわたる質問に対応することが出来ます。
対話の出来るAI
質問を投げかけると、まるで相手がそこにいて答えているかのように適切な回答を返すことが出来ます。
そのためカスタマーサポートや教育など、その場で相手に合わせた答えが必要になる場面にも活用されています。
クリエイティブな作業にも対応
物語を作ったり、詩を詠んだり、想像力を必要とするようなコンテンツを提案したりすることも可能です。
今回のような資料作成のアイディアを提供してくれたり、悩んだ時に解決の手助けになることが出来るAIツールです。
ChatGPTに指示を入力し、資料の筋書きを作成しよう
1.ChatGPTを開く
検索エンジンで「ChatGPT」と検索し、https://openai.com/ja-JP/chatgpt/overview/を開きます。
2.プロンプト(指示や質問)を入力する
ChatGPTは会員登録をしなくても使うことが出来ます。
「今すぐ始める」をクリックしてチャット画面を開きます。
今回の資料作成のテーマは、エンジニア向けに生成AIの導入を勧めるための資料としました。
ChatGPTに資料の筋書きを作ってもらうために、
「エンジニア向けに生成AIの導入を勧める資料の筋書きを作成してください。各セクションで「---」で区切りをつけてください。」
以上の文章を入力し、送信してください。
このようにAIに指示することを「プロンプト」と呼ぶよ。
3.生成された筋書きをコピー
生成された筋書きをコピーします。
下部にある「コピーする」アイコンをクリックして生成された内容をコピーします。
プレゼン資料の内容までAIが提案してくれるなんて、とっても時短になるね!
AIが提案してくれた内容も完璧なわけではないから、内容を確認してもっと適切な内容が良さそうであれば修正していってみてね。
Gammaを使って資料を生成しよう
Gammaの利用が初めての方は、まず新規会員登録を行いましょう。
公式サイトにアクセスし、「無料体験」、もしくは「無料会員登録」をクリックするか、紹介リンクからアカウントを作成します。
より詳しい登録の流れの解説はPikawakaのこちらのGamma解説記事をご参照ください。
「AIで作成する」画面を開く
「テキストを貼り付ける」を選んで進めていきます。
ChatGPTで生成した筋書きをコピーし、Gammaの生成用テキストエリアにペーストしよう
テキストエリアに内容がコピー出来たら、不要な文字がある部分と、ハイフン3つ「- - -」が入っているかを確認します。
- 先頭と最後尾に余分なメッセージがあるため削除します。
- 区切りに「- - -(ハイフン3つ)」が入っているか確認します。
まずは先頭に余分なメッセージがあるため削除します。
次に、最後尾にあるChatGPTからの返答の終わりを示していたメッセージを削除します。
今回の例では、「以上の筋書きを基に資料を作成してください。より具体的な例や導入効果のデータがあれば、各セクションに盛り込むと説得力が増します。」というメッセージになっていますが、人により返答内容が異なる場合があります。
例と異なった内容であった場合でも、最後尾のChatGPTの終わりを示すメッセージの箇所を確認して削除しましょう。
テンプレートを選ぶ
「プレゼンテーション」、「デフォルト」を選び、「続ける」をクリックします。
クリックするとテーマ選択画面に進みます。
テーマを選んで「生成」をクリックすると、選択したタイプのコンテンツが自動的に作成されます。
ちょっと待って!テンプレートの種類がたくさんありすぎて、どれを選んだらいいかわからなくなってきちゃった…。
様々なパターンのテンプレートがあるのは便利だけど、選ぶ基準がわからないと迷ってしまうよね。以下で資料内容の種類別にそれぞれ適しているテンプレートは何か、理由も併せて解説しているから参考にしてみて!
テンプレート選びのコツ
良さそうなテンプレートがたくさんあって、結局何を選べば良いか迷ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
資料内容の種類別に、向いているテンプレートをご紹介していきます。
誠実さ・信頼感を大事にしたいとき
金融機関や保険会社など、誠実さや信頼感を大事にしたい相手に向けて資料を作成するときに向いているテンプレートを2つご紹介します。
「Chimney Smoke」(チムニースモーク)
「Chimney Smoke」(チムニースモーク)は、清潔感を感じる白背景・冷静さを感じるグレーの配色が、落ち着きと誠実さを印象づけることが出来ます。
「Serene」(セリーン)
「Serene」(セリーン)は、金融機関等でよく使われている青色が使用されていて、責任感や誠実さを感じさせることが出来ます。
暗い色合いのテンプレートも落ち着きを感じさせることができるんじゃない?
黒+白の組み合わせは「はっきり」「強い」という「怖い」とも結びつくイメージが第一印象でつきやすい色の組み合わせなんだ。強さがとてもあるから、「信頼感」「誠実さ」を感じにくくなってしまうことが多いよ。
はっきり強いイメージを与える力の方が大きいんだね。上級者なら目的を持って狙って使えそう!
社内向けの資料を作りたい時
「Creme」(クリーム)
同じ会社の人に親近感を感じて興味を持ってもらえるような、優しさや柔らかさを感じる配色のテンプレートです。
「Electric」(エレクトリック)
社内の身近な人向けの資料で見てもらう時に楽しさを感じてほしいと考える場合、黒+鮮やかな色の文字を使うのも方法の1つです。
色のコントラストや配色の遊び心によって楽しい印象を持って見てもらうことが出来ます。
女性向けに共感性を重視したい場合
「Terracotta」(テラコッタ)
温かみがあり優しさを感じる色合いで、女性向けの資料に汎用的に使うことが出来ます。
「Atmosphere」(アトモスフィア)
顧客が「元気さ」「若さ」の印象を持つ場合に、鮮やかな色合いで共感を持って見てもらうことが出来ます。
テンプレートを適用してプレゼンテーションを自動生成しよう
先ほど紹介したテンプレートの種類を参考にして、作りたい資料に適したテンプレートでプレゼンテーションシートを生成してみましょう。
生成ボタンをクリックすると、数秒間でAIが内容を考え始めます。
プレゼンテーションシートが表示される画面へ遷移されます。
更に続けてAIがプレゼンテーションシートを生成し続け、数秒後にシートの生成が完了します。
Gammaで生成された見本の資料を確認しよう
プレゼンテーションシートが生成出来ましたでしょうか。
上記の画像のようなシートが生成出来ていればOKです。
参考例としてPikawakaが作成したこちらのGammaで生成したシートもありますので併せてご確認ください。
Gammaで生成したプレゼンシートって何で整っていると感じるのかな?理由がわかると自分でも応用出来そうだな〜。
それはある規則性に則って生成されているから整って見えるんだ。この規則性を覚えておくと応用できる場面がたくさんあるから、これから解説するね。
なぜGammaで生成したプレゼンテーションはデザイン的に見栄えが良いのか?
Gammaで生成したプレゼンテーションシートは見た目が整っていて見栄えが良く感じますね。
なぜGammaは自動でここまできれいにデザインを作ることが出来るのでしょうか。
それは、「グリッドデザインシステム」というデザイン方法に則ってシートを生成していることが理由の1つとして挙げられます。
グリッドデザインシステムとは
グリッドデザインシステムとは、線を規則的に引いて要素やすき間のレイアウトを組み合わせて考えていく手法です。
下記の画像では、縦と横の線を引いて、その線に要素の端が合わさるようにして文字や画像を配置しています。
「グリッド」とは、画面を水平線と垂直線で分断し、格子状の線を組み合わせたものを指しています。
「デザインシステム」は、「グリッド」に則った仕組みでデザインされていることを指します。
この手法を用いると、レイアウトに規則性を持たせることで直感的に理解しやすくすることが可能になります。
グリッドデザインシステムを採用しているGammaでレイアウトが整ったシートが生成出来る4つの理由
グリッドデザインシステムを採用しているGammaで生成されるシートが、なぜ見栄えが良いのか以下の4つのポイントで理由を更に解説していきます。
- すき間を規則的に自動で揃えてくれている
- 文章の範囲の端が揃っている
- 四角でエリアを区切るようにレイアウトされている
- 大から小の法則を使って自動でレイアウトしてくれている
それではポイント1から解説をしていきます。
ポイント1:すき間を規則的に自動で揃えてくれている
先ほど、グリッドデザインシステムというデザイン手法について触れましたね。
Gammaではこのグリッドデザインシステムを用いて、すき間の大きさに規則性が持たされるように整えてレイアウトを行ってくれます。
ポイント2:文章の範囲の端が揃っている
グリッドデザインシステムでは格子状のグリッドに沿ってレイアウトする方法があります。
プレゼンテーションシートでは文章を入れる場合が多いかと思います。
Gammaでは格子状のグリッドに沿って文章の範囲の端を揃えることで整った印象に調整してくれます。
ポイント3:四角でエリアを区切るようにレイアウトされている
グリッドを利用しながら、下記の画像のように四角の範囲で区分されるように調整されています。
規則的に四角が敷き詰められるようレイアウトすることで整った印象にすることが出来ます。
ポイント4:大から小の法則を使って自動でレイアウトしてくれている
Gammaでは下記の3つの要素において文字サイズやエリアの大きさを、AIが大から小の法則というデザイン手法を使って、重要な要素の印象が強くなるように要素の大きさを自動で調整してくれる機能があります。
- タイトル
- 見出し
- 補足説明
大から小への法則とは
大から小への法則とは、人間は大きなものから小さなものへ視線が流れるようになっている特性を利用したデザイン手法を指します。
その手法を用いてデザインをすると情報を効率的に得られやすくなり、閲覧者は「見やすい」と感じます。
「タイトル・見出し・補足説明」の3つが大→中→小の大きさになるように文字サイズが整えられている場合
大から小への法則を利用して、Gammaでは以下の画像のようにタイトル・見出し・補足説明の3つの大きさを適切に調整してくれます。
文字サイズが適切に整えられていない場合はどうなるのか
大から小への法則を全く無視すると、下記の画像のようになってしまいます。
内容はとても良いものかもしれないのに、フォントの大きさやすき間が揃っていないだけで「見てみようかな」という気持ちが一気になくなってしまうのではないでしょうか。
Gammaで生成した資料の完成度を更に高めるコツ
Gammaが生成してくれたシートをよく見直してみたんだけど、内容を直したい箇所やシートを追加したいところが意外とあるな〜。自分で一から作成するのはデザイン力に自信がないんだけど…どうしたら良い感じのシートに出来るのかな?
Gammaではシートを生成する他にも、一部分のレイアウトを整える機能もあるよ。自分で追加した箇所にはそのAI編集機能を使ってみよう!
Gammaでは一旦整ったレイアウトのシートを生成してくれますが、よく見直すと直したほうが良さそうな箇所や、他の内容を追加したいなと思う場合があります。
そんな時に、以下で紹介していく2つの機能を使うと効率的にブラッシュアップしていくことができます。
「AIで編集」機能を使う
後から自分でシートを追加したとき等に、AIが見栄えが良いように自動でレイアウトを調整してくれる機能があります。
シートの左上に「AIで編集」ボタンがあります。
ボタンをクリックするといくつかの調整機能が表示され、レイアウト調整の他に文章を増やしたり減らしたり調整する機能もあります。
雰囲気に合う画像を生成して配置してくれる
何か画像を挿入したいときに自分で画像を探していると、時間がかかってしまったことはないでしょうか。
Gammaでは全体の雰囲気に合った画像を生成して自動で配置もしてくれます。
画像の生成方法はこの後詳しく解説していきます。
困った時のパターン別の解決方法
パターン1:画像を追加したいけど、探すのが大変だし、いつも雰囲気がバラバラな画像の組み合わせになってしまう…
それでは困った時のパターン別に、AI機能の使い方を解説していきます。
画像を入れたいけど探すのが大変だし、いつも雰囲気がバラバラになってしまう…
このような場合に、「画像を追加する」AI機能を使うことで解決が可能です。
AIで編集 → 画像を追加するをクリックします。
「画像を追加する」をクリックして待つだけで、以下のように画像を生成し自動で配置までしてくれます。
画像のクオリティも高く、探す手間が省けて作業の効率がとても良くなる機能です。
パターン2:後から自分でシートを追加したけど、レイアウトがいい感じにならないな…
後からシートを追加した際に、レイアウト自体が文字ばかりになってしまったりと何だかうまくまとめられない場合はないでしょうか。
自分で最初から作ると、何だかいい感じにならない…
そのような場合も、AIを使いレイアウトを整えることが出来ます。
以下の画像は後から追加したシートの例です。
何だかただ箇条書きにしただけのように見えて、もう少しクオリティがあると良いなという感じがしますね。
ここから、AI編集機能をいくつか組み合わせてレイアウトを調整していきます。
「AIで編集」機能の、「タイムラインに変換」機能を適用します。
しばらく待つと、数字と線でタイムラインを表したレイアウトで自動調整されます。
次に、「レイアウトを変えてみる」を選択します。
タイムライン状になっていたレイアウトから、四角が二列に並んだレイアウトに変更されました。
次に「もっと視覚的に」という機能で更に良いレイアウトになるよう適用します。
数秒後、画像が生成されレイアウトも1列に変更されています。
AIが文章の量と画像の大きさを比較して分析し、AIが判断した適切なレイアウトに自動で調整がされました。
最後に
これから先は、ますますAI活用の時代がやってきます。
資料を効率よく魅力的に作るために、生成AIをたくさん活用していきましょう!
この記事のまとめ
- 生成AIプレゼンテーション作成ツールGammaを使うと、簡単に見栄えの良い資料が作成出来る
- ChatGPTも使うことで、内容を考える効率が更に上がる
- Gammaでは「グリッドデザインシステム」に沿って生成してくれるため、デザインに統一感が出て見栄えが良い
- 内容は「大、中、小」になるよう意識すると、ぱっと見て理解しやすい資料になる
- 後から自分で追加したシートも、Gammaの「AIで編集」機能を使うことで簡単にレイアウトを整えてくれる
- 画像生成機能を使うことで、画像を探さなくてもAIが適切な画像を生成して配置してくれる