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【IT業界】 SEの転職事情を経験者・未経験者別に解説!職種・年代別の成功方法

この記事ではSEの転職事情について、SE経験者だけでなく、未経験から転職する方法や、年代別、職種別の転職事情・ノウハウを詳しく説明します。
今回はSE(システムエンジニア)の転職事情を経験者と未経験者別に解説します。
まずはSE転職で押さえたいポイントとして、仕事内容や年収事情、働き方などを説明した後、年代別・職種別の成功方法、未経験者からSE転職を目指すうえでの基礎知識と役立つスキル・経験をお伝えします。
その後にSE転職で成功するポイントに触れた後、SE転職のよくある質問についても回答していますので、転職をお考えの人は参考にしてください。
SE転職で知っておきたい5つのポイント
SE転職で最初に知っておきたい主なポイントは次の5つです。
- SEの仕事内容
- SEの年収事情
- SEの働き方
- SE転職のメリット
- SE転職の注意点
それぞれ具体的に解説していきます。
SEの仕事内容
SE(システムエンジニア)とは、クライアントが求めるシステムを定義し、要件に沿ったシステムを設計・開発・保守運用する仕事です。
客先常駐SEはクライアントからの要望、社内SEは自社のシステム計画や社内要望に応じて、要求分析、要件定義、設計、開発・テスト、保守・運用とさまざまな工程に携わります。
扱う分野も多様で、一般的なWebアプリケーション開発の他、インフラ構築やセキュリティ、クラウド構築、先端領域などがあります。
SEの職種は後ほど詳しく解説します。
SEの年収事情
SEの一般的な年収レンジは400万円から700万円程度です。
経験や職種によって変わりますが、一般的な傾向としては、「ITコンサル、要件定義・設計などの上流工程の方が給料は高い」「IT業界は人材不足で、年齢が高い未経験者でもある程度入社しやすい」といえるでしょう。
企業規模による年収については、大手SIer(システムインテグレーター)は給与が高く、下請け企業だと天井が限られてくる傾向があります。
SEも他の職種同様、管理ポジションやスペシャリスト職は待遇面で優遇されやすいという特徴があります。具体的には、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルがあるPM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)などの管理ポジションは給与が高めです。また基盤技術を扱うインフラエンジニア、データベースやネットワークなど特定分野のスペシャリスト、AI(人工知能)やデータ分析などの先端IT人材は厚遇され、年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
SEの働き方
SEの働き方は、基本的に自社オフィスの「社内SE」か、客先での開発、いわゆる「客先常駐SE」という働き方に分かれます。
社内SEは自社オフィスで上司やチームメンバーから指示を受けて業務をおこないます。客先常駐SEとして受託案件に携わる場合はクライアントのオフィスで働くケースも普通です。客先常駐SEは大手クライアントのプロジェクトで多く見られる働き方で、請負契約、準委任契約、派遣契約といった契約形態を結びます。
- 請負契約:成果物を納品する対価として報酬を得る
- 準委任契約:労働力・技術力を提供する対価として報酬を得る
- 派遣契約:労働者を客先に派遣し客先業務に従事することで報酬を得る
近年はフレックスタイム制の他、在宅勤務を含むリモートワークも普及しており、福利厚生の充実など働き方改革を推進する企業も増えています。
SE転職のメリット
SEが転職することによって、以下のようなメリットを受けられる可能性があります。
- 給料が上がる
- キャリアの選択肢が広がる
- 働き方が改善する
給料が上がる理由として、残業代の支給や福利厚生の充実などがあります。特に大手企業に転職すれば年収アップが見込めるでしょう。
キャリアの選択肢が広がるのも転職のメリットです。スキル次第でPM/PLなどの管理ポジションや特定分野のスペシャリストも目指せます。
ワークライフバランスを重視している企業に転職すれば、働き方の改善も期待できます。
SE転職の注意点
SE転職にはメリットがある一方、「リサーチ不足」「転職の準備不足」「自分の市場価値の見誤り」「誰にも相談せず個人で転職活動を進めることによる思い込み」などによって選考に進めなかったり、希望の会社から内定を得られないリスクがあります。
他にも転職活動を先延ばしすると、いつまで経っても具体的な行動ができず、転職のチャンスを逃すおそれがあるので注意しましょう。リサーチと自己分析で準備を整えた後は、思い込みを排除し、信頼できる相手に相談しながら行動に移すことが大切です。
【年代別】SE転職事情と転職に成功するコツ
SE経験者が転職に成功するにはどのような点に気をつければよいのでしょうか。ここではSEの転職事情と転職に成功するコツを、以下の点に触れながら年代別に紹介します。
- その年代で期待される役割・スキル
- アピールするとよいスキル・経験・実績
年代 | 期待されるスキル | アピールすべきポイント |
---|---|---|
20代前半 | 専門スキルはあまり要求されない | 仕事への意欲 将来的な目標 |
20代後半 | プロジェクトメンバーとしての実務スキル | 携わったプロジェクトと役割 使用可能なプログラミング言語 |
30代 | リーダーシップ コミュニケーションスキル マネジメントスキル 人柄 |
SEとしてのコアスキル・経験 SEとしての専門スキル |
40代 | マネジメントスキル 一通りの開発スキル |
SEとしてのキャリア プロジェクト経験・実績 PM/PLとしての経験 |
50代 | 経営幹部としてのマネジメントスキル 戦略立案・推進スキル |
管理経験・実績 経営経験・実績 |
20代
20代前半はそこまで高いスキルを期待されない傾向があります。スキルがあれば採用時のアピール材料になりますが、スキルがない場合は仕事への意欲や将来的な目標を伝えましょう。
20代後半になるとスキルと経験が評価されやすくなります。今まで携わったプロジェクトや、使用可能なプログラミング言語をアピールしましょう。SE未経験の場合は、別業界で身につけたスキルと経験を武器にすることが大切です。
30代
30代はリーダーの役割を期待される年代です。20代の社員を上手に指導するためのコミュニケーションスキル、マネジメントスキル、人柄が重視されます。開発スキルのようなSEとしてのコアスキルを確実に身につけていることもポイントです。
仕事への意欲や情熱のアピールも大切ですが、同時に「SEとして身につけたスキル・経験と実績」が重視されやすいでしょう。
SE未経験の30代も採用される可能性はゼロではありませんが、20代と比較すると格段に難しくなります。
40代
40代は高い業務スキルと、管理職としての実績を期待されます。
「SEとしてどのようなキャリアを積んできたのか」「どのようなプロジェクトに関わり、どのようなスキルが身についているのか」「マネージャー・リーダーとしての実績」など、総合的にアピールすることが大切です。
40代でSE未経験の場合、SE職として採用されるのは非常に難しいといえます。
50代
一般的に50代での転職は難しく、SEも同様です。50代は現場での開発要員というよりも、部課長や役員といったマネジメント層での移籍が中心となり、SEとしての募集は少なくなります。
年齢不問、経験不問の求人でも、50代以上は対象から外れているケースが多いでしょう。特にIT業界は平均年齢が低い企業も多いため、「自分より年上の社員は雇用しにくい」という理由も考えられます。
【職種別】SE関連職種の特徴と転職のコツ
SEと一口にいっても職種はさまざまで、幅広いキャリアパスが可能です。SE関連職種の特徴と転職のコツを、以下の点に触れながら職種別に紹介していきます。
- 仕事内容
- 年収相場
- 必要スキル・経験
- 転職事情やコツ
職種 | 仕事内容 | 年収相場 | 必要スキル・経験 | 転職事情 |
---|---|---|---|---|
アプリケーションエンジニア | PC/スマートフォン向けのアプリケーション設計・開発 リリース後の保守・運用 |
400万〜500万円 | 論理的思考力 情報収集力 コミュニケーションスキル |
経験者向けが多いがポテンシャル採用もある |
プログラマー | プログラミング言語を用いたプログラミング | 300万〜400万円 | プログラミングスキル 論理的思考力 情報収集力 |
開発要員として需要は大きい 20代であればポテンシャル採用もある |
インフラエンジニア | サーバーやネットワーク、セキュリティの設計・開発 インフラ設備・システムの保守・運用 |
500万〜600万円 | インフラの専門スキル ユーザー志向の対応力 設計力・開発力 |
専門人材は希少でニーズは高い インフラスキルに加えマネジメントスキルもあると市場価値は高い インフラのクラウド移行にも対応できると重宝されやすい 経験者採用が中心 |
セキュリティエンジニア | 情報セキュリティの企画・設計や施策実行 | 500万〜600万円 | セキュリティ関連の専門スキル IT関連への幅広い知識 責任感・モラル 強いメンタル |
サイバー被害への対応意識の高まりで需要は大きい 経験者採用が中心 |
R&Dエンジニア | 基盤・応用技術や製品の研究・開発 | 500万〜600万円 | 発想力・企画力 情報収集力 マーケティングスキル |
「5G」や「AI」など研究開発需要は底堅い 経験者採用が中心 |
社内SE | インハウス(自社内)でのシステム開発や運用 | 400万〜500万円 | ソフト・ハードへの幅広い対応力 ユーザ志向 コミュニケーションスキル |
社内SEは人気が高く、それなりの倍率をくぐり抜けるために対応力や実績のアピールが必要 |
プリセールス・営業 | 潜在顧客への自社サービスの説明・商談 | 500万〜600万円 | 提案力 コミュニケーションスキル 商品・技術への知識 |
製品・ソリューションへの専門知識と営業スキルが求められるためハードルは高い 経験者採用が中心 |
PM/PL | プロジェクトの進捗・予算管理 プロジェクトメンバーのマネジメント・ディレクション |
500万〜800万円 | 企画・計画力 マネジメントスキル リーダーシップ コミュニケーションスキル |
管理経験者は貴重なため需要が大きい 経験者採用が中心 |
ITコンサルタント | 顧客課題のヒアリング IT製品・ソリューションを用いた解決策の提案 |
700万〜1,000万円以上 | 企画力・提案力 問題解決力 論理的思考力 コミュニケーションスキル |
経験者採用が中心 |
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアの仕事内容は、「PCやスマートフォン向けのアプリケーション設計・開発」と「リリース後の保守・運用」です。
年収相場は400万円から500万円で、論理的な思考力があり知的好奇心が強く、チームワークを図れる人に向いています。
転職事情は経験者向けの募集が多いものの、未経験向けのポテンシャル採用をおこなっている企業もあります。未経験の場合は自身でアプリケーションを開発し、多くのユーザーに利用された経験があると有利です。
プログラマー
プログラマーはRuby、Java、PHP、Perl、Pythonのようなプログラミング言語を用いて開発・運用をおこなう仕事です。分野は幅広く、Web系、組み込み・制御系、オープン・オンライン系、汎用系、通信系などさまざまです。
年収相場は300万円から400万円で、新しい情報に敏感で論理的思考が得意であり、地道な作業に集中できる人が向いています。
転職事情としてプログラマーの需要は高く、20代であれば未経験からの転職も狙えます。
インフラエンジニア
インフラエンジニアはサーバーやネットワーク、セキュリティの設計から保守・運用をおこなう仕事です。
年収相場は500万円から600万円で、自主的な工夫ができてエンドユーザーを意識した構築が可能な人に向いています。構想力や専門性があり、細かな点まで気を配れるタイプも歓迎されるでしょう。
転職事情として近年ニーズが高まっており、インフラ構築のスキルに加えてマネジメントスキルがあると評価されやすい、という特徴があります。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアの仕事内容は情報セキュリティの企画・設計や施策実行です。
年収相場は500万円程度で、情報セキュリティマネジメントやネットワークインフラセキュリティなど幅広い知識があり、責任感、モラル、強靱なメンタル、コミュニケーションスキルを備えた人が向いています。
需要に供給が追い付いていない状況ではあるものの、高い水準のスキルセットが求められるため、経験者採用が中心になります。
R&Dエンジニア
R&D(Research and Development)とは「研究開発」を指し、R&Dエンジニアの仕事内容は基盤・応用技術や製品の研究・開発です。
年収相場は500万円から600万円ほどで、好奇心の強い人や技術進歩のスピードに付いていける吸収力の高い人に向いています。システム開発のスキルというよりも、研究分野の専門知識や発想力、物事を追求する力が必要な仕事です。
転職事情として人手不足が続いていますが、求められるスキルも高いため、経験者採用が中心となるでしょう。
社内SE
社内SEは企業内でシステム開発や運用をおこなう仕事です。通常はアプリケーション、ネットワーク、ヘルプデスク、システムアナリストなどに分かれ、チームの一員として業務を遂行しますが、中小企業では最小人数で社内システムを一手に引き受けることもあります。
年収相場は400万円から500万円で、客先で仕事をするのではなく、腰を据えて自社システムに携わりたい人に向いています。勤務先によっては他の社員から質問を受ける機会があり、コミュニケーションスキルも重要です。
転職事情として社内SEは求人数が多いので、経験者だけでなく、未経験者採用にも可能性があるでしょう。
プリセールス・営業
プリセールス・営業職は、自社のIT製品導入を考えているクライアント候補に対して説明・商談をおこなう仕事です。他にもIT企業のコンペでプレゼンテーションをおこなうこともあります。
年収相場は600万円前後で、技術力、トーク力、コミュニケーションスキルに秀でた人が向いています。
人材不足ではあるものの、製品・ソリューションへの専門知識と営業スキルの双方を高いレベルで身につけている必要があるので、経験者採用が多い状況です。
PM/PL
PMはプロジェクト全体の管理責任者で、PLはプロジェクトの実行リーダーです。具体的には以下のような違いがあります。
役職名 | PM | PL |
---|---|---|
役割 | プロジェクト全体の管理責任者 | プロジェクトの実行リーダー |
対応範囲 | スケジュールや予算や品質、 人員などのマネジメント |
現場で指示を出す 自身も開発メンバーとして 手を動かすこともある |
年収目安 | 600万〜800万円 | 500万〜700万円 |
必要スキル | マネジメントスキル コミュニケーションスキル 企画・計画力 |
リーダーシップ コミュニケーションスキル 開発スキル |
PMもPLも、責任あるポジションで求められる役割も重いため、経験者採用がメインです。
ITコンサルタント
ITコンサルタントはクライアント企業の課題に対して、悩みのヒアリングやIT製品・ソリューションによる解決策の提案をおこなう仕事です。戦略の立案から、最適化のアドバイス、他にもプロジェクトの管理を担うこともあります。
年収相場は700万円前後ですが、なかには年収1,000万円を超えるITコンサルタントも存在します。必要なスキルには問題解決力と論理的思考力があり、高いレベルでのコミュニケーションスキルも備えていなければなりません。
転職事情として未経験採用は難しく、まずはSEやプログラマーで経験を重ねたり、コンサルティング会社で研鑽を積む必要があるでしょう。
その他専門エンジニア
その他の専門エンジニアには、サーバーやネットワークといったハード分野や、組み込み、Web、汎用といった開発領域でのスペシャリストがいます。
その他にも、トレンドであるデータサイエンティスト、AIアナリスト、IoTエンジニア(IoT:モノのインターネット化)、クラウドエンジニア、無線エンジニア(Bluetoothやネットワークなど)があります。
専門性が求められる分、年収は高い水準となっています。特にデータサイエンティストやAI系エンジニアは年収1,000万円以上も期待できる職種です。
経験者の募集が前提であり、SE経験者であってもその分野が未経験なら内定を得るのは難しいでしょう。転職を目指すなら、特定分野における具体的な実績が必要です。
未経験からSEへの転職を目指すときの基礎知識
ここまではSE経験者の転職をテーマにお話ししてきましたが、ここからはSE未経験からSEに転職する際のポイントについて、以下のテーマに触れながら解説します。
- 未経験からのSE転職の可能性
- SEの魅力と注意点
- 転職に有利な資格
- IT系知識を習得する流れ
1つずつ見ていきましょう。
未経験でもSE転職は可能
未経験からSEに転職することは可能ですが、基本的に20代が対象となり、それ以降の年代は難しいでしょう。転職には「30歳の壁」があるといいますが、SE業界も同じ傾向が見られます。
資格は必須ではありませんが、後述するIT系資格を取得する方が、未経験から転職する際には有利です。自分でプログラミングを学んだ経験があれば、選考時にアピールしましょう。
また、異業種・異職種からの転職であっても、社会人としての常識・基礎的スキルや、「チームでの仕事経験」「管理経験」「クライアント対応経験」など、何らかの経験が求められるのが通常です。
SE職の魅力と注意点
SE職の魅力・メリットには以下のものがあります。
- 需要が安定している
- 専門技術・知識が身につけば高年収を見込める
- リモートやフレックスなど柔軟な働き方が可能
SE業界は人手不足が続いているため、需要が安定しています。未経験からのスタートでも、将来的に専門技術・知識を身につければデータサイエンティストやAI系エンジニアなど高年収の職も目指せます。リモートやフレックスで働きやすい点も魅力です。
一方のデメリットには以下のポイントがあります。
- SESのように客先常駐を前提とする働き方がある
- 下請け企業では給料が上がりにくい
- プロジェクトによっては長時間勤務になる
- 休日勤務もありうる
客先常駐や給料面、長時間勤務、休日勤務など、企業によって待遇が異なり、企業によっては厳しい条件のこともある点には注意しましょう。
有利になる資格
未経験からのSE転職において、資格取得はアピール材料になります。まずは「基本情報技術者試験」(FE:Fundamental Information Technology Engineer Examination)の取得が基本ですが、そのうえで、もし余裕があれば「応用情報技術者試験」(AP:Applied Information Technology Engineer Examination)があるとよいでしょう。
「ITストラテジスト試験」「システムアーキテクト試験」をはじめとした高度資格は、強力なアピールになるものの、SE未経験者が転職する際はそこまで重視されません。ただし資格学習に適性があり、興味を持てるのであれば、高度資格まで取得しておいてもよいでしょう。
なお、「基本情報技術者試験」の学習内容が難しいと感じた場合は、「ITパスポート試験」(IP:Information Technology Passport Examination)の勉強からはじめることをおすすめします。
IT系知識を身につける手順
先ほどの「基本情報技術者試験」(FE)を取得すれば、最低限のIT知識の勉強になります。学習の手順としては、テキストの内容をインプットした後、問題集でアウトプットすると効果的です。
また、最低1つはプログラミング言語を理解しておく必要がありますが、独学やプログラミングスクールなどで身につけるとよいでしょう。プログラミングスクールは通学型だけでなく、オンラインで学べる種類も増えています。
プログラミング言語を学ぶ手順として、まずは難易度の低いHTML/CSSのようなマークアップ言語や初学者でも学びやすいとされるRubyなどの言語からはじめ、その後により難しいプログラミング言語を学ぶという方法もあります。
未経験からSEに転職する際に役立つスキル
未経験からのSE転職で役立つスキルには、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル、情報収集スキルの3つがあります。どのスキルも大切なので、1つずつ見ていきましょう。
コミュニケーションスキル
SEにはクライアントやチームメンバー、エンドユーザーなど、さまざまな利害関係者とスムーズにやりとりするコミュニケーションスキルが必要です。自社の上層部やパートナー企業との交渉・調整スキルも必要でしょう。
プリセールス・営業やITコンサルタントはクライアントと関わる機会が多いため、特にコミュニケーションスキルが試される職種です。未経験採用は少ないものの、将来的なキャリアとして考えている場合は、より一層コミュニケーションスキルが大切になるでしょう。
マネジメントスキル
SEとしてシステム開発は複数のメンバーで進めます。当初はいちメンバーでも、キャリアを築いてPM/PLになるにあたっては、マネジメントする能力が求められるでしょう。人事や管理職経験があれば有利です。
他にも、スケジュール管理にマネジメントスキルは役立ちます。タイトな日程のプロジェクトでは、自分がどの作業をおこなっているのかを把握しながら進めることが大切です。
情報収集スキル
正しい情報をスムーズに収集するスキルも欠かせません。
例えば、プロジェクトに携わるなかで技術的な疑問・不明点がある場合でも、その都度、検索したり人脈に頼ったりして足りない知識を補うスキルが重要です。
また、技術は日々進化・変化しており、継続的に最新情報を収集して業務に落とし込めるかどうかがポイントです。そのためには日頃から最新情報にアンテナを張り、仕事以外の時間でも研鑽を積む心がけが大切になるでしょう。
【経験職種別】未経験者のSE転職でアピールできる経験
未経験者がSE転職でアピールできる経験には以下のものがあります。
- 案件管理
- 製造・オペレーション
- 企画・開発
- 営業・マーケティング
1つずつ解説します。
案件管理
SEはプロジェクト単位で仕事に携わることになりますが、品質、予算、納期(いわゆる「QCD:Quality/Cost/Delivery」)などの管理能力が必須です。在庫管理や予算策定などの経験があれば、履歴書や面接でアピールできます。
製造・オペレーション
製造現場でのオペレーションや管理点検業務の経験があれば、プロジェクトの進行や品質管理には共通点が多いため、システム開発・テストなどに生かせます。
企画・開発
SEはヒアリングや要件定義、設計段階での企画力、提案力が求められます。
今までに企画・開発の経験があれば有利です。例えば企画会議・商品開発の場でアイディアが採用された経験があればアピールできるでしょう。
営業・マーケティング
SEは日常的にクライアントや協力会社とのやり取りが発生する仕事です。特にプリセールス・営業職やITコンサルタント職では営業経験が役立ちます。
メーカー営業、代理店営業、商社営業などの経験があれば有利といえます。新規営業やルート営業で数字を残していれば、さらに強力なアピールになるでしょう。
SE転職で成功するためのポイント
SE経験者・未経験者問わず、SEへの転職で成功する主なポイントは次の5つです。
- 働き方・年収などの希望要件を整理する
- 目標とするキャリアパスを決める
- 自分の適性に合った求人を選ぶ
- 業界・職種情報をリサーチする
- プロや経験者に相談する
それぞれ見ていきましょう。
働き方・年収などの希望要件を整理する
働き方や年収などの希望要件を整理することで、条件に合った求人を探せます。転職エージェントや人材紹介会社を利用する場合も希望条件が明確である方が仕事探しがスムーズです。
ただし全て理想通りの求人が見つかるとは限らないため、妥協できる条件と妥協できない条件も分けておくとよいでしょう。
目標とするキャリアパスを決める
SEとしてキャリアパスの設定は大切です。先述の通りSEのなかでも職種はさまざまで、分野も多種多様にあります。
転職を検討する際は、「アプリケーションエンジニアからPMを目指す」「社内SEを目指す」「データサイエンス領域のスペシャリストになる」など、将来のキャリアパスを考えることが重要です。
自分の適性に合った求人を選ぶ
自身の適性にマッチした求人選びも大切です。
前述したようにコミュニケーションスキルは重要ですが、プリセールスとプログラマーでは求められるコミュニケーションスキルの性質が異なります。
マネジメントスキル、情報収集スキルも同様です。自分が備えているスキルを洗い出したうえで求人を探しましょう。
業界・職種情報をリサーチする
業界・職種情報をリサーチすることで年収相場が分かりますし、仕事内容もイメージしやすくなります。リサーチ方法はネットや書籍だけでなく、実際にSEとして働いている友人・知人がいれば話を聞くとよいでしょう。
リサーチを重ねて業界・職種情報に詳しくなれば、SEに転職した後の業務にも生かせます。
プロや経験者に相談する
人材紹介会社のエージェントのような転職のプロに相談することで、スムーズに転職しやすくなります。自分に合った求人に巡り合える可能性も高くなるでしょう。
人材紹介会社は複数利用すると効果的ですが、あまりに数が多いとやり取りに時間がかかるため、多くても3社ほどに抑えるのが無難です。
SEの転職に関するよくある質問と回答
SEの転職に関するよくある質問と、その回答について紹介します。
完全未経験でもSEへの転職は可能?
完全未経験でもSE転職は可能ですが、30歳を過ぎると難しいでしょう。社会人経験が乏しい場合は20代前半まで、ある程度経験を重ねた場合は20代後半まで可能性があります。
その場合も社会人としての常識・ビジネスマナーが必要ですし、基本情報技術者試験のような資格を取得したり、自身でプログラミングを習得したりするなどの努力が欠かせません。
なお、高卒文系でもシステム開発の適性があれば問題ありません。女性のSEも増えている状況です。
SEの転職でおすすめの企業・職種は?
SIerはシステム開発の元請として上流工程から下流工程まで携わることができます。裁量が大きいので給料も高い傾向にあり、多様なキャリアの選択肢がある職場です。
自社サービス系企業は、受託側ではなく提供側として、サービス開発力やマーケティング力などが身につきます。キャリアパスとしてPM/PLを目指すだけでなく、独立を考えている場合も必要なスキルを身につけやすいでしょう。
SEの将来性は?
システム開発は業種や企業規模を問わず、なくてはならない仕事です。開発案件は安定的に存在し、その担い手であるSEは将来性も高いといえます。
この記事のまとめ
- SE転職で押さえたいポイントは仕事内容、年収事情、働き方、メリット、注意点の5つ
- 20代は未経験でも採用される可能性があるが、30代以降はSEとしての経験が必須と考える
- 未経験からSEに転職するには、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル、情報収集スキルの3つが重要
- 未経験からSEに転職する場合は、他職種での実績に加え、資格取得やプログラミングスキルを習得すれば訴求材料にしやすい
- SE転職の成功の鍵は希望条件やキャリアパスを定め、リサーチして適性に合った求人を選ぶこと
