はじめに
この記事では「Ruby on Rails」でアプリケーションを作成する準備について説明します。 記事を読みながら実際に手を動かして、Cloud9にアプリケーションを準備していきましょう!
- 「Ruby on Rails」でCloud9にアプリケーションの基本セットアップを完了する
- アプリケーションのデフォルトページをWebブラウザで表示する
- 可視化ツールを導入し、Webブラウザでデータベースのデータ操作を可能にする
- AWS Cloud9の導入
- ターミナル操作に関する基礎知識(Cloud9のターミナルの使い方 を完了していれば十分です)
「Ruby on Rails」でアプリケーションを作成する準備をして、以下のデフォルトページをWebブラウザで表示するところまで行います。
Railsアプリケーションのデフォルトページ
またデータを可視化できるツールの導入も行います。導入後は、データベースのデータをWebブラウザから操作できるようになります。
phpMyAdminのログイン後の画面
1.Railsアプリケーションの作成準備
Railsでアプリケーションを作成するには、まず雛形となる多数のフォルダやファイルを用意する必要があります。これらはrails new
というコマンドを利用することで自動的に生成することができます。
Railsではどんなアプリケーションでも、最初に雛形を作成するところから始まるよ!
rails new コマンドの使い方
rails new
コマンドは、以下のようにターミナルでrails new
の後に半角スペースを1つあけてアプリケーション名を指定します。
1
rails new アプリケーション名
上記を実行すると、カレントディレクトリ配下にRailsアプリケーションの土台となるフォルダやファイルを自動で生成してくれるので、開発効率が大幅にアップします。
他にもオプションを利用することで、「Railsのバージョン」や「データベース」などを指定して雛形を作成することができます。
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rails _バージョン_ new アプリケーション名 # このコマンドは実行しないでください
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rails new アプリケーション名 -d データベース名 # このコマンドは実行しないでください
項目 | 指定方法 | 補足説明 |
---|---|---|
Railsのバージョンを指定する | rails _バージョン_ new アプリケーション名 |
未指定の場合は、最新のRailsバージョンが使用される |
データベースの種類を指定する | rails new アプリケーション名 -d データベース名 |
未指定の場合は、sqlite3が使用される |
今回は雛形を作成する際に「Railsのバージョン」と「データベース」のどちらも指定するので、以下のようにターミナルに入力します。
1
rails _バージョン_ new アプリケーション名 -d データベース名 # このコマンドは実行しないでください
rails newコマンドを実行する
それでは実際にCloud9のIDEを開き、rails new
コマンドでRailsアプリケーションの雛形を作成してみましょう。
まずはCloud9のターミナルを開いて、カレントディレクトリが「environment」であることを確認しましょう。
Cloud9のターミナル(※画像は最大化してます。)
もしカレントディレクトリの表記が~/environment
ではない方がいれば、以下のコマンドを必ず実行しておきましょう。
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cd ~/environment
Rubyのバージョンが「2.7.5」であることを確認するため、以下のようにターミナルでruby -v
を実行しましょう。
1
ruby -v
Cloud9のターミナル(rubyのバージョンが2.7.5)
もし表示されたRubyのバージョンが2.7.5
ではない場合、Rubyのインストールやデフォルト設定がうまくいっていない可能性があります。その場合、「Rubyを用意しよう」の記事を再確認してください。
Railsアプリケーションの雛形を作成する際にRailsのバージョンを6.1.3.1
、アプリケーション名をemployee_management
、データベースをMariaDB
※1に指定します。
以下のコマンドをターミナルで実行しましょう。
※1. -d mysql
と指定していますが、互換性の高いMySQLのコマンドを利用してMariaDBに接続します。
1
rails _6.1.3.1_ new employee_management -d mysql
以下のように少し時間がかかるので待ちましょう。
Cloud9のターミナル(Railsアプリケーションの雛形を生成中)
ターミナルにプロンプトが表示されたら、雛形の自動生成は完了です。
Cloud9のターミナル(Railsアプリケーションの雛形生成を完了)
自動生成されたものを確認する
rails new
コマンドが無事に完了すると、カレントディレクトリ配下にrails new
コマンドで指定したアプリケーション名のフォルダが作成されます。
今回は~/environment
でアプリケーション名をemployee_management
に指定してrails new
コマンドを実行しました。
Cloud9のターミナル(アプリケーション名の確認)
そのため、以下のようにカレントディレクトリのenvironment(pikawaka)配下にemployee_management
のフォルダが作成されていることが確認できます。
employee_management
のフォルダの中身は、以下のようなディレクトリ構造となっています。
このディレクトリ構造は多くのRailsアプリケーションに共通しているので、他の開発者のコードでも挙動を一定程度予想することが容易になり、チーム内で効率的なコミュニケーション、品質を安定させることができます。
たくさんのフォルダやファイルが存在しますが、主に利用する基本的なものを挙げます。
ファイル ディレクトリ |
説明 |
---|---|
app/ | アプリケーションの中心となるフォルダ(主要な機能などを格納) |
config/ | アプリケーションの設定情報 |
db/ | データベースに関連する情報やファイルが保存されるフォルダ |
public/ | Webブラウザなどに直接公開されるデータを保存するためのフォルダ |
Gemfile | アプリケーションに必要なGemを定義するファイル |
たくさんあって覚えるの大変そうだなぁ・・・。
今すぐに覚える必要はないよ!各ディレクトリやファイルの意味や目的については、必要な場面で手を動かしながら学ぶから安心してね。
2.指定バージョンのGemを準備
Gemとは、Ruby言語用の外部ライブラリのことです。
今回はGemの依存関係に起因するエラーを防ぐため、デフォルトのGemのバージョンではなく、特定の固定されたバージョンのGemをアプリケーションにインストールします。Gemのインストールでは、Gemfile
とbundle install
コマンドを使用します。
Gemのインストール方法
Gemをインストールするには、まずGemfile
にGemを記述し、次にbundle install
コマンドを実行します。これにより、記述したGemをインストールできます。
Gemfileには、以下のようにgem
の後に半角スペースを1つ開け、Gemの名前をダブルクォーテーション("
)またはシングルクォーテーション('
)で囲んで記述します。
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gem 'Gem名' # 説明用
Gemのバージョンを指定する場合は、以下のように記述します。
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gem 'Gem名', 'バージョン' # 説明用
そして、ターミナルでbundle install
コマンドを実行することで、Gemfileに記載されたGemをBundlerを通してインストールすることができます。
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bundle install # このコマンドは実行しないでください
Gemをインストールする
それでは実際に手を動かし、デフォルトではない固定バージョンのGemをアプリケーションにインストールしてみましょう。
まずは、「employee_management」直下にある「Gemfile」をダブルクリックして、テキストエディタを開いてください。
Cloud9のメニューバー
以下の動画に示されているように、右側のテキストエディタで「Gemfile」が開かれていれば、完了となります。
Cloud9のテキストエディタ(Gemfileを開く)
次に、Gemfileの内容をデフォルトではなく、カリキュラムで使用する固定バージョンのGemに全て置き換えます。
デフォルトでのGemfileの内容を全て削除し、以下の内容にコピー&ペーストしてください。
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source 'https://rubygems.org'
git_source(:github) { |repo| "https://github.com/#{repo}.git" }
ruby '2.7.5'
gem 'rails', '~> 6.1.3', '>= 6.1.3.1'
gem 'mysql2', '0.5.3'
gem 'puma', '5.5.2'
gem 'sass-rails', '6.0.0'
gem 'webpacker', '5.4.3'
gem 'turbolinks', '5.2.1'
gem 'jbuilder', '2.11.5'
gem 'bootsnap', '1.10.1', require: false
gem 'net-http'
group :development, :test do
gem 'byebug', '11.1.3'
end
group :development do
gem 'web-console', '4.2.0'
gem 'rack-mini-profiler', '2.3.3'
gem 'listen', '3.7.1'
gem 'spring', '3.1.1'
end
group :test do
gem 'capybara', '3.36.0'
gem 'selenium-webdriver', '4.1.0'
gem 'webdrivers', '5.0.0'
end
# Windows does not include zoneinfo files, so bundle the tzinfo-data gem
gem 'tzinfo-data', platforms: [:mingw, :mswin, :x64_mingw, :jruby]
動画に示されているように内容を置き換えられたら、完了です。
Cloud9のテキストエディタ(固定バージョンのGemに置き換える)
カレントディレクトリをemployee_management
に変更します。
まずはターミナルでlsコマンド(ファイルやディレクトリの一覧表示)を実行しましょう。
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ls
「environment」の直下にある「employee_management」が画像のように表示されます。
Cloud9のターミナル(ファイルやディレクトリの一覧表示)
次にcdコマンド(カレントディレクトリの変更)を使用して、employee_management
に移動します。以下のコマンドをターミナルで実行しましょう。
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cd employee_management
画像と同じようにemployee_management
に変更されているはずです。
Cloud9のターミナル(カレントディレクトリを変更)
pwdコマンド(カレントディレクトリの絶対パスを表示)でも確かめてみましょう。
以下のコマンドをターミナルで実行しましょう。
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pwd
絶対パスが画像のように表示されていれば、カレントディレクトリの変更完了です。
Cloud9のターミナル(カレントディレクトリのフルパスを表示)
最後にGemfileに記述した固定バージョンのGemをbundle install
コマンドでインストールしましょう。
カレントディレクトリが「employee_management」になっていることを確認し、ターミナルで以下のコマンドを実行しましょう。
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bundle install
Cloud9のターミナル(bundle installを実行)
以下のように「Bundle complete!」 というメッセージが表示され、その後にプロンプトが現れたら、Gemのインストールが完了したことを意味します。
Cloud9のターミナル(Gemのインストールが完了)
カレントディレクトリが「employee_management」になっていることを確認し、ターミナルで以下のコマンドを実行しましょう。
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yarn add @babel/plugin-proposal-private-property-in-object @babel/plugin-proposal-private-methods @babel/plugin-proposal-class-properties
3.データベースの準備
Webアプリケーションを作るためには、データの保存先としてデータベースが必要です。
データベースとは、システムやユーザーが扱うデータを1つの場所に集めたものです。データベースでは、アプリケーションで作成されたデータを保存・蓄積し、必要なデータをすぐに取り出せるように整理しています。
データベースってなんだか難しそうだな...。
データベースについては別のカリキュラムで詳しく学ぶけど、Twitterのツイートや、Amazonの商品情報などが、データベースに保存されていると考えるとイメージしやすいかもね!
Twitterのツイートでは、データベースに保存されたツイートが必要に応じて取り出され、HTMLの部品として取り扱われています。
Railsでのデータベース作成方法
Ruby on Railsでデータベースを作成するには、database.yml
とrails db:create
コマンドを使用します。
database.yml
は、Railsアプリケーションで非常に重要な役割を果たすファイルです。このファイルは、Railsアプリケーションがデータベースとやりとりをする際の接続設定(例えば、使用するデータベースの種類など)が記されています。
以下はdatabase.yml
の一般的なデフォルトの設定です。
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default: &default
adapter: sqlite3
pool: <%= ENV.fetch("RAILS_MAX_THREADS") { 5 } %>
timeout: 5000
development:
<<: *default
database: db/development.sqlite3
test:
<<: *default
database: db/test.sqlite3
production:
<<: *default
database: db/production.sqlite3
database.yml
は、rails newコマンドを実行して新しいRailsアプリケーションを作成する際、config
ディレクトリ内に自動的に生成されます。データベースを指定せずコマンドを実行すると、上記のようにSQLite
がデフォルトで使用される設定になります。
rails new
コマンド実行時にデータベースを指定すると、database.yml
はそのデータベースをデフォルトで使用する設定で自動的に生成されます。
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rails new アプリケーション名 -d データベース名 # このコマンドは実行しないでください
Railsでデータベースを作成するには、ターミナルでrails db:create
コマンドを実行します。このコマンドを実行すると、database.yml
の設定に従ってデータベースが作成されます。
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rails db:create # このコマンドは実行しないでください
Railsでデータベースを作成する
それでは実際に手を動かし、 Railsでデータベースを作成してみましょう。
まず、rails new
コマンド実行時にconfig
ディレクトリ直下に自動生成されたdatabase.yml
をテキストエディタで開きましょう。
database.yml
を開くと、以下の内容が記載されています。
- adapter: 使用するデータベースエンジン
- database: データベースの名前
- username: データベースに接続する際のユーザー名
- password: データベースに接続する際のパスワード
rails new
コマンドでアプリケーションを作成する際、データベースを以下のように指定しました。その結果、database.yml
ではSQLite
ではなくMariaDB
がデフォルトで使用される設定になります。
※1. -d mysql
と指定していますが、互換性の高いMySQLのコマンドを利用してMariaDBに接続します。
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rails _6.1.3.1_ new employee_management -d mysql # このコマンドは実行しないでください
環境構築時にMariaDBのrootユーザーのパスワードを設定していない場合、database.ymlのpassword欄は空欄のままでもMariaDBに接続可能です。基礎カリキュラムでは、開発環境のデータベースを使用するため、特にパスワード設定は行いません。
Ruby on Railsでは、アプリケーション開発を支援するため、開発環境、テスト環境、および本番環境の3つの環境が、それぞれ特定の用途に最適化されて用意されています。
- 開発環境: アプリケーション開発を行う主要な環境
- テスト環境: アプリケーションのテストを実施する環境
- 本番環境: リリースされるアプリケーションをユーザーに提供する環境
database.yml
では、各環境に対してデータベースの設定が個別にデフォルトで定義されています。また、データベースの名前も環境ごとに異なります。
環境ごとにデータベースを用意するようになっているんだね!
これによってデータを共有しなくて済むよ。たとえば本番環境のデータに影響を与えることなく、開発環境での作業を行うことができるよ
次に12行目のdefault: &default
を確認します。
default: &default
では、すべての環境で共通する設定を記述します。<<: *default
を用いて、他の環境の設定でこれを呼び出し、利用することができます。
database.yml
はデフォルトのまま特に変更せず、データベースを作成します。
カレントディレクトリが~/environment/employee_management
であることを確認し、以下のコマンドをターミナルで実行してください。カレントディレクトリの変更は、cd ~/environment/employee_management
を実行することで行えます。
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rails db:create
コマンドを実行すると、以下の画像のようにemployee_management_development
という名前の開発環境用データベースとemployee_management_test
という名前のテスト環境用データベースが作成されます。
基礎カリキュラムでは、employee_management_development
の開発環境用データベースを使用します。
phpMyAdminでデータを可視化する
phpMyAdminとは、Webブラウザ上でMariaDBの操作や管理を行えるソフトウェアです。
MariaDBを操作するには、ターミナルを開いてコマンドを打ち込む必要がありましたが、phpMyAdmin導入後は、Webブラウザ上で簡単に操作することができます。
phpMyAdminを導入すれば、MariaDBをCUI(文字だけで操作を行う方式)ではなくGUIで操作できるってことだね!
phpMyAdminの導入・設定
それでは、実際に手を動かしてみましょう。phpMyAdminを導入し、Webブラウザからデータベースを操作できるように設定していきます。
public
ディレクトリは、Webブラウザから直接アクセス可能なファイルを格納する場所として使用されます。
まず、カレントディレクトリをpublic
に変更しましょう。
ターミナルで以下のコマンドを実行します。
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cd ~/environment/employee_management/public
もし画像と同様の表記がされているなら、カレントディレクトリをpublic
に変更できています。それでは、次に進みましょう。
まず、コマンドで公式サイトからphpMyAdminをダウンロードします。
コマンドの実行に進む前に、カレントディレクトリがpublic
であることを確認してください。確認ができましたら、ターミナルで以下のコマンドを実行してください。
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wget https://files.phpmyadmin.net/phpMyAdmin/5.1.1/phpMyAdmin-5.1.1-all-languages.zip
コマンドを実行すると、public
ディレクトリ直下にphpMyAdmin-5.1.1-all-languages.zip
がダウンロードされることが、以下の画像のように確認できます。
次に、phpMyAdmin-5.1.1-all-languages.zip
をunzipコマンドで解凍します。
コマンドの実行に進む前に、カレントディレクトリがpublic
であることを確認してください。確認ができましたら、ターミナルで以下のコマンドを実行してください。
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unzip phpMyAdmin-5.1.1-all-languages.zip
コマンドを実行した後、解凍されたphpMyAdmin-5.1.1-all-languages
が以下のようにpublic
ディレクトリ内にあることを確認してみましょう。
最後にphpMyAdmin-5.1.1-all-languages.zip
は不要ですので、rmコマンドを使用して削除します。
コマンドの実行に進む前に、カレントディレクトリがpublic
であることを確認してください。確認ができましたら、ターミナルで以下のコマンドを実行してください。
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rm phpMyAdmin-5.1.1-all-languages.zip
phpMyAdminの設定ファイル名はconfig.inc.php
ですが、ダウンロードしたファイルには含まれていないため、作成が必要です。
phpMyAdmin-5.1.1-all-languages
ディレクトリ内のconfig.sample.inc.php
をコピーし、phpMyAdminの設定ファイルを作成します。
まず、カレントディレクトリをphpMyAdmin-5.1.1-all-languages
に変更しましょう。ターミナルで以下のコマンドを実行します。
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cd ~/environment/employee_management/public/phpMyAdmin-5.1.1-all-languages
次にconfig.sample.inc.php
をコピーし、config.inc.php
を作成しましょう。
ターミナルで以下のコマンドを実行します。
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cp config.sample.inc.php config.inc.php
実行すると、phpMyAdmin-5.1.1-all-languages
ディレクトリ直下にconfig.inc.php
が作成されることが、以下の画像のように確認できます。
config.inc.php
の設定を変更しよう最後にconfig.inc.php
の設定を変更しましょう。
config.inc.php
をダブルクリックし、テキストエディタで開きます。
config.inc.phpの32行目の$cfg['Servers'][$i]['AllowNoPassword'] = false;
を、以下の画像に示されているようにfalse
をtrue
に変更してください。
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$cfg['Servers'][$i]['AllowNoPassword'] = true;
上記の設定により、パスワードなしでphpMyAdminにログインすることが可能になります。
phpMyAdminの起動手順
それでは、phpMyAdminの起動手順を確認しましょう。以下の手順を踏むことで、phpMyAdminを用いてデータベース管理が可能になります。
- Cloud9でターミナルを開く
phpMyAdmin-5.1.1-all-languages
ディレクトリに移動する- PHPビルトインウェブサーバーを起動する
- MariaDBサーバーを起動する(自動起動を設定済み)
- Webブラウザを開き、phpMyAdminにアクセスする
- ログインして、データベース管理を行う
なお、MariaDBサーバーは自動起動を設定済みですので、特別な操作は必要ありません。
もし手順の途中で問題が発生した場合、各ステップを再確認し、正しい実行が行われているかチェックしてください。
まず、Cloud9でターミナルを開きましょう。
カレントディレクトリをphpMyAdmin-5.1.1-all-languages
に変更しましょう。
ターミナルで以下のコマンドを実行します。
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cd ~/environment/employee_management/public/phpMyAdmin-5.1.1-all-languages
Cloud9では、簡単にphpMyAdminを動かすために、PHPが持っているシンプルなウェブサーバーを使います。
コマンドの実行に進む前に、カレントディレクトリがphpMyAdmin-5.1.1-all-languages
であることを確認してください。確認ができましたら、ターミナルで以下のコマンドを実行してください。
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php -S 127.0.0.1:8081
Press Ctrl-C to quit.
まで表示されたら起動完了です。
サーバーを起動したターミナルではログが出力され続けます。その間、他のコマンドを実行することができないので、以下のように別タブで新しいターミナルを開いておきましょう。
IDE上部にある「Preview」>「Preview Running Application」をクリックしてください。
次のようにプレビューウィンドウが表示されます。
以下の画像の通り、Browserの右側にあるマークをクリックしてください。
Webブラウザの別タブでプレビューが開きますので、URLの末尾に:8081
を追記し、Enterキーまたはreturnキーを押して検索してください。
:8081
は半角で入力し、.com
の直後にスペースを入れずに追記してください。ログイン画面が表示されない場合は、こちらをご確認ください。
このログイン画面は頻繁に使用するため、ブックマークしておくと便利です。
それでは、phpMyAdminにログインしましょう。ユーザー名の欄に「root」と半角英字で入力し、実行ボタンをクリックしてください。
ログインできない場合は、config.inc.php
ファイルの設定が正しく行われているか、こちらの手順に沿って確認してください。
ログインに成功すると、次のような画面が表示されます。
rails db:create
コマンドで、既に開発環境とテスト環境のデータベースを作成していましたね。
これらのデータベースが存在するか確認してみましょう。
画面上部の「データベース」という部分をクリックしてください。
すると、データベース一覧が表示されます。
コマンドで作成した「employee_management_development」と「employee_management_test」というデータベースがリストにありますね。
また、画面上部の「データベース」以外にも、サイドバーの「employee」>「management」からも確認が可能です。
以上でデータベースの準備が完了しました!ここまで問題なく進めた場合、次のエラー対処方法をスキップし、Railsアプリケーションの起動方法に進んでください。
phpMyAdminのエラー対処方法
上記のエラーが表示された場合、以下の項目を確認してください。
- MariaDBが起動中であることを確認してください。
- データベースが作成されていることを確認してください。
- phpMyAdminの設定ファイルが作成されていることを確認してください。
- PHPビルトインウェブサーバーが起動中であることを確認してください。
MariaDBの起動状態の確認方法
MariaDBの状態から確認します。
ターミナルで以下のコマンドを実行してください。
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sudo systemctl status mariadb
画像の通りに表示されれば、MariaDBが正常に起動しています。MariaDBが原因ではないため、次に進みましょう。
もし起動していない場合は、こちらの手順に従ってMariaDBを起動し、その後の自動設定も必ず実施してください。
データベースが作成されているかを確認
カレントディレクトリが~/environment/employee_management
であることを確認し、以下のコマンドをターミナルで実行してください。
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rails db:create
上記を実行した際、すでに作成済みの場合は、already exists
と表示されます。データベースが原因ではないので、次に進みましょう。
以下の画像のようにデータベースが作成されている場合、データベース作成段階での不具合が原因でした。
phpMyAdminの設定ファイルを確認する
phpMyAdmin-5.1.1-all-languages
ディレクトリ直下にconfig.inc.php
というファイルが存在するかを確認してください。
もしconfig.inc.php
というファイルが存在していない場合は、こちらの手順に従って導入や設定を見直してください。
PHPビルトインウェブサーバーの起動方法
カレントディレクトリがphpMyAdmin-5.1.1-all-languages
であることを確認してください。確認ができましたら、ターミナルで以下のコマンドを実行してください。
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php -S 127.0.0.1:8081
Press Ctrl-C to quit.
まで表示されたら起動完了です。
4.Railsのサーバーを立ち上げる
最後に、Ruby on Railsの開発サーバーを起動し、Webブラウザでデフォルトページを表示させます。rails server
コマンドを利用することで、開発サーバーを起動できます。
Railsアプリケーションのデフォルトページ
rails server コマンドの使い方
rails server
コマンドは、Railsアプリケーションの開発環境を起動するためのコマンドです。このコマンドを実行すると、Webアプリケーションサーバーが内部的に起動し、Webブラウザを通じてRailsアプリケーションの動作や画面を確認することができます。
コマンドの使い方は、ターミナルでRailsアプリケーションのルートディレクトリに移動した後、rails server
または rails s
と入力して実行します。
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rails server
# 上記のコマンドは、Railsアプリケーションのサーバーを起動します。
# 短縮形として、以下のコマンドでも同じ操作を実行できます。
rails s
通常、サーバーを起動後、Webブラウザで http://localhost:3000
にアクセスすると、Railsアプリケーションのデフォルトページが表示されます。しかし、Cloud9を利用する場合は手順が少し異なります。
Cloud9のIDEには「Preview」というオプションが存在します。この機能を利用することで、起動したRailsアプリケーションをブラウザで直接確認することができます。
具体的には、Previewのメニューから「Preview Running Application」を選択すると、新しいタブでアプリケーションが開きます。
Rails 6以降、セキュリティの向上を目的としてアクセス制限が導入されました。Cloud9のような外部の環境からアクセスする際、この制限によりアクセスが制約されることがあるため、config.hosts.clear
という設定を追加する必要があります。
この設定については、実際に操作しながら詳しく確認します。
rails serverコマンドを実行する
それでは実際にrails server
コマンドを実行し、Webブラウザを通じてRailsアプリケーションのデフォルトページを確認してみましょう。
config.hosts.clear
を追記しようRailsでは、それぞれの環境ごとに専用の設定ファイルが用意されています。開発環境の設定ファイルは、config/environments
ディレクトリ内のdevelopment.rb
です。
まず、development.rb
をテキストエディタで開きましょう。
Cloud9の環境でWebブラウザからRailsアプリケーションにアクセスするため、次にdevelopment.rb
にconfig.hosts.clear
を追記しましょう。
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config.hosts.clear
上記の設定により、Cloud9のようなクラウド上の開発環境からでもRailsアプリケーションにアクセスすることが可能となります。
まず、ターミナルで以下のコマンドを実行し、employee_management
というRailsアプリケーションのルートディレクトリに移動しましょう。
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cd ~/environment/employee_management
次に、ターミナルでrails server
またはrails s
を実行しましょう。
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rails s
「Use Ctrl-C to stop」まで表示されたら、起動が完了しています。
最後に、WebブラウザでRailsアプリケーションのデフォルトページを表示してみましょう。
IDEの上部に「Preview」>「Preview Running Application」がありますので、それをクリックしてください。
次に、プレビューウィンドウが表示されますので、Browserの右側にあるマークをクリックしてみましょう。
その後、以下の画像と同様の画面が表示されれば、アプリケーションへのアクセスは正常に行われています。
以上でRailsのデフォルトページの表示は完了です。お疲れ様でした!
この記事のまとめ
本記事では、Railsアプリケーションの基本的なセットアップに必要な手順を学びました。まず、「rails new」コマンドで新しいアプリケーションを作成し、特定のバージョンのGemをインストールしましたね。その後、データベースを作成し、phpMyAdminツールを使って作成したデータベースを確認する方法を学びました。最後に「rails server」コマンドでRailsアプリケーションの開発環境を起動し、Webブラウザを通じてアプリケーションの動作を確認する手法を把握しました。
この記事のまとめ
- 新しいRailsアプリケーションを作成する際、「rails new」コマンドを利用することで、効率的にセットアップを行うことができる
- 多くのアプリケーションは、データの保存と取り扱いのためにデータベースを必要とする
- Railsアプリケーションの開発は、一般的に開発環境を起動し、Webブラウザで画面や動作を確認しながら進める
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