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【Rails】 Ruby on Railsの環境構築の全手順と概念をわかりやすく解説
この記事では、ローカル環境にRuby on Railsの開発環境を用意していきます。1つ1つ理解しながら環境構築を進めることができます!
通信ネットワーク分野でのローカル(local)とは、ネットワーク越しに存在しない特定の狭い範囲を意味します。
ほとんどの場合は、「自分の手元で直接操作できるコンピュータ」のことを指します。
よく耳にする「ローカル開発環境の構築」とは、開発に必要なソフトウェアを手元のパソコンに入れて、Webアプリケーションを動かせるように設定していく作業のことです。
この記事では、RailsによるWebアプリケーション開発が手元のパソコンで可能になります!
他サイトにある開発環境構築の記事と何が違うんだろう...。
この記事では手順だけではなく、導入するソフトウェアや必要な知識も省くことなく丁寧に説明しているよ!
環境構築に必要なものを確認しよう
まずは、Ruby on Railsのローカル開発環境を構築する前に「必要なソフトウェア・環境構築の進め方・前提条件」を確認してみましょう。
必要なソフトウェア
Ruby on Railsの環境構築には、以下のソフトウェアが必要になります。
- Command Line Tools
- Homebrew
- Ruby(+rbenv)
- MySQL(+homebrew-services)
- Bundler
- yarn
- webpacker
- Node.js(+nodebrew)
- Ruby on Rails
これらのソフトウェアを手元のパソコンに導入して、RailsによるWebアプリケーションを動かせるように設定していきます。
※この記事は、macOSをご利用の方向けになります。
環境構築の進め方
ローカル開発環境の構築は、以下の手順で進めさせていただきます。
ソフトウェアの導入や設定を行うだけではなく、環境構築する上で必要な基礎知識も組み込んでいるので、ボリュームのある内容になっています。
次に環境構築の際は、ターミナルで実行するコマンドは覚える必要はありません。
コマンド入力でのタイプミスを減らすために、コピー&ペーストで進めましょう。
環境構築って初心者にとって最初で最大の壁ってよく言われているよね...
環境構築する上で「必要なソフトウェアを導入すること・正しい設定を行うこと・仕組みを理解し実践すること」が重要になるよ。
記事では、この3つを重視して環境構築を進めていくよ!
前提条件の確認
次の前提条件を満たしているか確認しましょう。
- 「Macのターミナルの使い方」を知っている
- 「ファイル管理」の知識がある
- macOSがCatalina以降であること → macOSを調べる
- macOSがMojave以前の方 → macOS をアップデートする
上記の条件を満たしている方は、さっそく環境構築を進めてきましょう!
1.Command Line Toolsを用意しよう
ここからローカル環境にRuby on Railsの開発環境を用意していきます。
はじめに開発で必要なソフトウェアのダウンロードが可能になる「Command Line Tools」をインストールしていきましょう。
1-1.Command Line Toolsのバージョンを確認しよう
まずは「ターミナル」を開いて、以下のコマンドを実行してください。
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xcode-select -v
画像のように「xcode-select version ○○○○.」とバージョンが表示されていれば、既にインストールされているので「2.Homebrewを用意しよう」へ進みましょう。
※バージョンは一致している必要はありません。
インストールされていない方は、次に進みましょう。
1-2.Command Line Toolsをインストールしよう
Command Line Toolsのインストールをしましょう。
まずは、以下のコマンドを実行してください。
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xcode-select --install
続いて、以下の画面が表示されるので「インストール」をクリックしてください。
次に使用許諾契約の同意書が表示されるので、「同意する」をクリックしてください。
同意すると、Command Line Toolsのダウンロードが始まります。
少し時間がかかるので待ちましょう。
インストールに成功すると、以下の画面が表示されるので「完了」をクリックしましょう。
1-3.Command Line Toolsが導入できたか確認しよう
以下のコマンドを実行して、Command Line Toolsが正常にインストールされているか確認してみましょう。
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xcode-select -v
画像のように問題なくバージョンが表示されたら、インストールは完了となります!
※バージョンの数字は、一致しなくても問題ありません。
これでCommand Line Toolsの用意ができました。次へ進みましょう!
2.Homebrewを用意しよう
次にMacでよく使われるパッケージマネージャーのHomebrewを用意していきます。
Homebrewをインストールする前に、「Homebrewとは何か」「どんなことができるのか」を学んでいきましょう。
Homebrewとは
Homebrewとは、macOS用のパッケージマネージャー(ソフトウェアを一括で管理するシステム)のことです。
例)Macでアプリケーションをダウンロードするとき「App Store」を利用しますよね。
Homebrewも同じような役割を果たします。App Storeには開発者向けのアプリケーションもありますが、全て用意されているわけではありません。
Homebrewでは、開発に欠かせないアプリケーションを手に入れることが可能です。
App Storeは「GUI」ですが、Homebrewは「CUI(ターミナル)」から1行コマンドを実行するだけで、アプリケーションのインストール/アンインストールの操作ができます。
Homebrewがあれば、ターミナル上で簡単にアプリの入手ができるんだね
2-1. Homebrewのバージョンを確認しよう
まずは、以下のコマンドを実行してください。
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brew -v
画像のように「Homebrew ○.○.○」とバージョンが表示されていれば、既にインストールされているので「2-2.既にHomebrewをインストールしている場合」へ進みましょう。
※バージョンは一致している必要はありません。
インストールされていない方は「2-2.Homebrewをインストールしよう」に進みましょう。
2-2.既にHomebrewをインストールしている場合
Homebrewがインストール済みだった方は、バージョンアップをしておきましょう。
以下のコマンドを実行してください。
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brew update
brew -v
でHomebrewのバージョンアップできたかを確認しましょう。
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brew -v
バージョンアップができたら「3.Gitを用意しよう」へ進みましょう。
2-2.Homebrewをインストールしよう
Homebrewのインストールをしましょう。
まずは、こちらの「Homebrew公式サイト」にアクセスして「インストール用のコマンド」をコピーしてください。
※公式サイトと同じインストール用のコマンドを以下に載せていますが、変更される可能性もあるので、必ず公式サイトのコマンドをコピーするようにしましょう。
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/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
続いて、コピーしたコマンドをターミナルへ貼り付けて「returnキー」を押します。
実行すると、以下のようにパスワードが求められるので入力します。
・パスワードは、Macの起動時アカウントへのログインに使うパスワードです。
・ターミナルでパスワードを入力する際、画面には何も表示されませんが入力はできています。パスワード入力後、returnキーを押しましょう。
※以下のように「Press RETURN to continue or any other key to abort」で一旦止まることがあります。
この場合は、returnキーを押してください。
そのあと再びパスワードが要求されるので、入力してreturnキーを押します。
実行すると、Homebrewのインストールが開始されます。
少し時間がかかるので待ちましょう。
インストールに成功すると、動画のように「Installation successful!」と表示されます。
2-3.Homebrewが導入できたか確認しよう
以下のコマンドをターミナルで実行して、Homebrewが正常にインストールされているか確認してみましょう。
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brew -v
画像のようにバージョンが表示されたら、インストールは完了となります!
※バージョンの数字は、一致しなくても問題ありません。
これでHomebrewの用意ができました。次のGitへ進みましょう!
3.Gitを用意しよう
Gitは、Ruby on Railsの環境構築に必須ではありませんが、今後のWebアプリケーション開発で必要になるので用意します。
HomebrewでGitをインストールしていきます。
Gitとは
Gitとは、バージョン管理システム(ファイルの変更履歴を記録するシステム)のことです。
例)通常Webアプリケーションなどの開発は、ファイルにソースコードを記述して機能や画面を作っていきます。
もしファイルに何か問題があって編集前の状態に戻したい場合は、どのようにすれば良いでしょうか。
編集前のファイルをコピーして保存する方法がありますが、ファイルを編集するたびにコピーをするのは大変ですよね。
この問題は、Gitで解決できます。
Gitはファイルの変更履歴を記録するので、過去のファイルの状態に戻すことができます。
変更履歴には「誰が、いつ、どのように変更したか」も含まれるので、複数人で開発する場合にも最適です。
ファイルに問題が発生しても、Gitがあれば編集前に戻れるから安心だね
3-1.Gitのバージョンを確認しよう
MacにはGitが標準でインストールされていますが、バージョンが古いことがあるので、Homebrewを使って最新のGitをインストールしていきます。
まずは、以下のコマンドを実行してください。
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git --version
画像のようにバージョンの末尾に(Apple Git-xxx)が付くのは、標準搭載されるGitです。
続いて、HomebrewでGitをインストールしていないか確認します。
以下のコマンドを実行してください。
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brew list
画像のように「git」と表示されていれば、既にインストールされているので「3-3.再びGitのバージョンを確認してみよう」へ進みましょう。
インストールされていない方は、次に進みましょう。
3-2.Gitをインストールしよう
Gitのインストールをしましょう。
まずは、以下のコマンドを実行してください。
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brew install git
実行すると、Gitのインストールが開始されます。
少し時間がかかるので待ちましょう。
Gitのインストールが成功すると、以下のような表示がされます。
3-2.Gitが導入できたか確認しよう
以下のコマンドを実行して、HomebrewでGitが正常にインストールされているか確認してみましょう。
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brew list
画像のようにgitが表示されたら、インストールは完了となります!
3-3.再びGitのバージョンを確認してみよう
インストール完了後、再びGitのバージョンを確認してみましょう。
以下のコマンドを実行してください。
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git --version
おそらくMacに標準で入っているGitではなく、HomebrewでインストールしたGitが表示されたのではないでしょうか。
バージョンを確認して「①HomebrewのGit」ではなく、「②Mac標準のGit」が表示された方は、HomebrewのGitにPATHを通す必要があります。
「PATHを通す」ってよく耳にするけど、どういうことなんだろう...。
PATHを通す例については、次で詳しく説明するよ。
今後も必ず出てくる重要な概念なので、一緒に学びましょう!
・①HomebrewのGitを表示 + PATHを通すを知る方は、「4.rbenvを用意しよう」へ
・②標準Gitを表示 + PATHを通すを知る方は「3-4.HomebrewのGitにPATHを通す」へ
・それ以外の(PATHを通すを知らない)方は、そのまま次にお進みください。
PATHを通すとは
PATHを通すとは、コマンド検索パス(自動的にコマンドを探すディレクトリのパス)を設定することです。
コマンドに対してPATHを通すことで、絶対パスではなくファイル名だけの指定でコマンドを実行することができます。
例)まずコンピュータで扱われるデータは、「ファイル」という単位で記録されます。
もちろん、コマンドもファイルとして記録されています。
以下のように「lsコマンド」は、/bin/ls
にあります。
そして、本来ならコマンドを実行する際は「絶対パス」で指定する必要があります。
lsコマンドを実行する際は、以下のように/bin/ls
と指定します。
しかし、実行するたびに絶対パスを指定するのは大変ですよね。
そこでlsコマンドに対してPATHを通す(コマンドを探しに行くディレクトリのパスを設定する)ことで、ls
だけの指定でファイル一覧が表示されるようになります。
元からMacに用意されているコマンドは、デフォルトでPATHが通っているので、コマンドのファイル名だけで実行することができます。
新たにインストールしたパッケージのコマンドは、PATHを通してファイル名だけで使えるようにするんだね!
Gitの場合は、既にPATHが通っているのでgit --version
のようにgit
の指定だけでコマンドの実行ができるよ
なぜPATHを通す必要があるのか
現在パソコンの中には「MacデフォルトのGit」と「HomebrewでインストールしたGit」が存在します。
この2つのGitは、それぞれ違う場所に置かれています。
- MacデフォルトのGit -
/usr/bin/git
- HomebrewでインストールしたGit -
/usr/local/bin/git
ということは、Gitコマンドを使用した場合はどちらかのディレクトリのパスを探しに行っているよね
git --versionでデフォルトのGitが表示された方は、/usr/bin/
のgitが参照されているよ
したがってGitコマンドの参照先を「デフォルトのGit」から「HomebrewのGit」に変えるために、HomebrewのGitにPATHを通す必要があります。
PATHを通す方法
PATHを通すには、$PATH
という環境変数にディレクトリの場所を設定します。
PATHの確認
まずは、デフォルトで設定されている$PATH
を確認してみましょう。
以下のコマンドを実行してください。
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echo $PATH
これまでPATHを設定していなければ、以下のように表示されるでしょう。
・パスはコロン(:)で区切られる
・コマンド実行時に、左のパスから優先的に検索される
例)lsコマンドが/usr/local/bin/ls
と/usr/bin/ls
にあるとします。
lsを実行すると、実際に実行されるのは優先度が高い/usr/local/bin/ls
になります。
PATHの設定方法
次は、PATHを設定する方法を確認しましょう。
PATHを設定するには、exportコマンドを利用して環境変数「$PATH」に新たなコマンドのディレクトリパスを追加します。
exportコマンドは、環境変数を設定することができるコマンドです。
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export 環境変数名=値
$PATH
には、以下のように現在設定されるPATHの情報が含まれています。
1
2
echo $PATH #PATHの情報を確認する
/usr/local/bin:/usr/bin:/usr/sbin:/sbin #現在設定されるPATHの内容
この$PATH
に追加するディレクトリパスをコロン(:)で区切り設定します。
パスの優先度により値の指定方法が違います。
- 優先度高 -
追加するコマンドのディレクトリパス:$PATH
- 優先度低 -
$PATH:追加するコマンドのディレクトリパス
既存のパスよりも優先度低い順番でパスを設定する場合は、以下のように記述します。
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export $PATH=$PATH:追加するコマンドのディレクトリパス
既存のパスよりも優先度高い順番でパスを設定する場合は、以下のように記述します。
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export $PATH=追加するコマンドのディレクトリパス:$PATH
次でPATHを通す方法の説明が終わるよ。あと少し頑張ろう!
「.zshrc」にパスを設定する
exportコマンドで設定したものは、一時的でターミナルを閉じると消えてしまいます。
毎回手動でパスを設定するのは、大変ですよね。
このような場合、ホームディレクトリ配下にある「.zshrc」にexportコマンドを利用してパスを設定することで、自動で実行されるようになります。
以下のように>>
で左側の内容を右側のファイルに追記できます。
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export $PATH=$PATH:追加するコマンドのディレクトリパス >> "~/.zshrc"
ターミナルを再起動すると設定が反映されます。
または以下のコマンドを実行すると、再起動なしに設定を反映させることができます。
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source ~/.zshrc
3-4.HomebrewのGitにPATHを通そう
HomebrewでインストールしたGitを利用できるようにPATHを通していきましょう。
※ ターミナルで「git --version」を実行して、「② Macに標準で入っているGit」が表示された方のみ操作を行います。
まずは、以下のコマンドを実行してください。
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echo 'export PATH="/usr/local/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
次に設定を反映されるために、以下のコマンドを実行してください。
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source ~/.zshrc
以下のコマンドを実行して、バージョンの末尾に(Apple Git-xxx)が付いていなければHomebrewのGitが利用できるようになっています!
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git --version
これでGitの用意ができました。次のrbenvへ進みましょう!
4.rbenvを用意しよう
次にRubyでよく使われるバージョン管理ツールのrbenvを用意していきます。
rbenvをインストールする前に、「rbenvとは何か」「どんなことができるのか」を学んでいきましょう。
rbenvとは
rbenvとは、複数のRubyを管理してくれるツールのことです。
例)実際の開発現場は「Twitter風のアプリではRuby 2.6.9、Instagram風アプリではRuby 2.7.5」というようにプロジェクト毎に異なるバージョンのRubyで動かすことが多いです。
rbenvは、同時に複数のRubyのバージョンをインストールして、プロジェクト毎に適したバージョンでRubyを動かすことができます。
rbenvは、軽量で簡単にRubyのバージョンを切り替えることができるよ
4-1.rbenvのバージョンを確認しよう
まずはターミナルを開いて、以下のコマンドを実行してください。
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rbenv -v
画像のように「rbenv ○.○.○」とバージョンが表示されていれば、既にインストールされているので「5.Rubyを用意しよう」へ進みましょう。
※バージョンは一致している必要はありません。
「command not found」と表示された方は、rbenvがまだインストールされていないので次に進みましょう。
4-2.rbenvをインストールしよう
rbenvをHomebrewでインストールしていきます。
まずは、以下のコマンドを実行してください。
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brew install rbenv
画像のように「Installing rbenv」が表示されたら、インストールができています!
4-3.rbenvが導入できたか確認しよう
続いて、rbenvが正常にインストールされているか確認しましょう。
以下のコマンドを実行してください。
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rbenv -v
「rbenv ○.○.○」のように表示されていれば、インストールは完了となります。
4-4. rbenvにPATHを通そう
最後にインストールしたrbenvに対して、PATHを通す作業を行います。
まずは、以下のコマンドを実行してください。
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echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
次にrbenvのshimsを有効にするために、以下のコマンドを実行してください。
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echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.zshrc
最後に、以下のコマンドを実行してください。
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source ~/.zshrc
これでrbenvの用意ができました。次のRubyへ進みましょう!
5.Rubyを用意しよう
Macには標準でRubyがインストールされていますが、バージョン管理を行うためrbenvでRubyをインストールしていきます。
Rubyとは
Rubyとは、日本製のプログラミング言語(コンピュータに指示を伝えるための言語)です。
プログラミングは、コンピュータへの命令をテキストエディタにプログラミング言語を使って、ひとつひとつ記述していきます。
Rubyの設計思想として「シンプルにコードが書けること」があり、非常に簡潔にコードを記述することが可能です。
日本語のドキュメントも大量に揃って学習環境も充実しているため、初心者でも習得しやすい言語だよ!
5-1.インストール可能なRubyのバージョンを確認しよう
まずは、rbenvでインストール可能なRubyのバージョンを確認してみましょう。
以下のコマンドを実行してください。
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rbenv install --list
画像のようにインストール可能なRubyのバージョンが一覧で表示されます。
今回は、2.7.5
のバージョンを指定してRubyをインストールします。
※一覧に2.7.5
がない場合は、2.7.×
の最後の数字が5以上のバージョンをインストールしてください。
5-2.Rubyをインストールしよう
次にバージョンを指定して、Rubyのインストールをしましょう。
以下のコマンドを実行してください。
2.7.5
がない場合は、自身の環境に合わせてバージョンの部分を変えてください。
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rbenv install 2.7.5
実行すると、Rubyのインストールが開始されます。
少し時間がかかるので待ちましょう。
インストールに成功すると、画像のように「Installed ruby-2.7.5 ~」と表示されます。
5-3.Rubyが導入できたか確認しよう
以下のコマンドを実行して、Rubyが正常にインストールされているか確認してみましょう。
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rbenv versions
画像のようにバージョンが表示されたら、問題ありません。
上の画像のsystemとは、Macに標準搭載されるRubyのことです。
左側にあるアスタリスク(*)は、現在適用されているRubyを表します。
rbenvで導入したRubyを利用するには、切り替え作業が必要だよ!
5-4.バージョンを切り替えよう
rbenvでインストールした2.7.5
にバージョンを切り替えましょう。
2.7.5
ではない方は、インストールしたバージョンを指定してください。
以下のコマンドを順番に実行してください。
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rbenv global 2.7.5
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rbenv rehash
最後に、以下のコマンドを実行して2.7.5
へ切り替えられたか確認してみましょう。
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ruby -v
画像のようにインストールしたバージョンが表示されていれば、問題ありません。
これでRubyの用意ができました。次のMySQLへ進みましょう!
6.MySQLを用意しよう
次に世界でも多くの企業で使われているデータベース管理システムのMySQLを用意していきます。
MySQLとは
MySQLとは、人気の高いデータベース管理システム(データの検索・編集など効率化するソフトウェア)です。
Webアプリケーションを作るためには、データを保存する先としてデータベース(MySQL)が必要になります。
6-1.MySQLのバージョンを確認しよう
以下のコマンドを実行してください。
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mysql --version
「mysql Var 14.14~」のように表示されていれば、既にインストールされているので「7.Ruby on Railsを用意しよう」へ進みましょう。
インストールされていない方は、次に進みましょう。
6-2.MySQLをインストールしよう
HomebrewでMySQLのインストールをしましょう。
まずは、以下のコマンドを実行してください。
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brew install mysql@5.7
実行すると、MySQLのインストールが開始されます。
少し時間がかかるので待ちましょう。
インストールに成功すると、以下のような表示がされます。
6-3.MySQLにPATHを通そう
HomebrewでインストールしたMySQLを利用できるように、PATHを通しましょう。
以下のコマンドを順番に実行してください。
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echo 'export PATH="/usr/local/opt/mysql@5.7/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
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source ~/.zshrc
最後に、以下のコマンドを実行してPATHが通せたか確認してみましょう。
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mysql --version
PATHが通ると、画像のように「mysql Var 14.14~」と表示されます。
6-5.MySQLを起動させよう
実際にMySQLを起動してみましょう。
まずは、以下のコマンドを実行してください。
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mysql.server start
画像のように表示されたら、起動することができています。
次に、rootユーザーとしてログインしてみましょう。
以下のコマンドを実行してください。
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mysql -uroot
実行すると、画面が切り替わります。
画像のように表示されたら、問題なくログインができています。
ログアウトは、以下のようにexit
と入力してreturnキーを押しましょう。
※ このままだと、PCの再起動でmysqlサーバーも止まってしまいます。
mysql.server start
を毎回手動で行う必要がありますが、Homebrewのサービス管理機能で自動に起動することができます。
6-6.MySQLの自動起動を設定しよう
最後にMySQLの自動起動の設定をしていきましょう。
以下のコマンドを順番に実行してください。
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brew tap homebrew/services
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brew services start mysql@5.7
画像のように表示されたら、問題なく自動起動の設定ができています!
これでMySQLの用意ができました。最後のRailsへ進みましょう!
7.Ruby on Railsを用意しよう
いよいよ環境構築も終わりに近づいてきました。
Ruby on Railsをインストールするだけではなく、アプリケーションを作成して実際に動かすところまで行います。
Ruby on Railsとは
Ruby on Railsとは、プログラミング言語であるRubyで作られた非常に強力なフレームワーク(開発作業を効率化するための骨組み、テンプレートのようなもの)です。
Ruby on Railsを使うと、簡単に素早くWebアプリケーションを開発できるようになります。
7-1.Ruby on Railsをインストールしよう
バージョンを指定して、Ruby on Railsのインストールをしましょう。
まずは、以下のコマンドを実行してください。
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gem install rails -v '6.1.3.1'
インストールに成功すると、動画のように指定したバージョンのRailsが表示されます。
次に以下のコマンドを実行して、railsコマンドを利用可能にしましょう。
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rbenv rehash
最後に、以下のコマンドを実行してインストールできたか確認してみましょう。
1
rails -v
画像のように「Rails 6.1.3.1」と表示されたら、インストールは完了となります。
7-2. Bundlerをインストールしよう
次は、Bundlerのインストールをしましょう。
Bundlerは、gem(Ruby言語用の外部ライブラリ)のバージョンや依存関係を管理します。複数人で開発する際にgemのバージョンが上がってもエラーを起こさずに開発できます。
以下のコマンドを実行してください。
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gem install bundler
インストールに成功すると、画像のように「1 gem Installed」と表示されます。
以下のコマンドを実行して、インストールできたか確認してみましょう。
1
bundle -v
画像のように問題なくバージョンが表示されたら、インストールは完了となります。
7-3.yarnとwebpackerをインストールしよう
最初に、yarnのインストールをしましょう。
yarnは、JavaScriptのパッケージ管理ツールです。
Rails6でwebpackerが標準になったことにより、yarnをインストールする必要があります。
以下のコマンドを実行してください。
1
brew install yarn
インストールに成功すると、画像のように表示されます。
次にwebpackerをインストールしておきましょう。
以下のコマンドを実行してください。
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rails webpacker:install
画像のように表示されたら、インストールは完了となります。
※webpackerについては、後のカリキュラムで詳細に説明します。
7-3.Node.jsをインストールしよう
Railsを動かすために必要なNode.jsのインストールをしましょう。
まずは、nodebrewをインストールします。
nodebrewとは、複数のNode.jsを管理してくれるツールです。Rubyのrbenvのような役割をしてくれます。
以下のコマンドを実行しましょう。
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brew install nodebrew
インストールできたか確認するために、以下のコマンドを実行しましょう。
1
nodebrew -v
画像のようにバージョンが表示されたら、nodebrewのインストールは完了となります。
次にnodebrewのセットアップを行いましょう。
以下のコマンドを実行してください。
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nodebrew setup
続いて、以下のコマンドを実行してNode.jsのインストールをしましょう。
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nodebrew install-binary stable
インストールしたバージョンを確認してみましょう。
以下のコマンドを実行してください。
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nodebrew ls
「current: none」と表示されているように、インストールしたバージョンを利用できるように切り替える必要があります。
上記で表示されたバージョンを指定して、以下のコマンドを実行してください。
v16.13.1の箇所は、必要に応じて変えましょう。
1
nodebrew use v16.13.1
最後にPATHを通します。
以下のコマンドを順番に実行してください。
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echo 'export PATH=$HOME/.nodebrew/current/bin:$PATH' >> ~/.zshrc
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source ~/.zshrc
以下のコマンドを実行して、バージョンが表示されたらインストールは完了となります。
1
node -v
最後にRailsアプリケーションを作成して起動してみよう!
7-4.Railsアプリケーションを作成しよう
これまでの環境構築の手順で、ソフトウェアの導入や設定が正しくできたか確認するために、Railsでアプリケーションを作成して動かしていきます。
作成するアプリケーションは確認用なので、最後に削除します。
そのため今回は作業用ディレクトリは作成せず、ホームディレクトリで直接アプリケーションを作成します。
以下のコマンドを順番に実行してください。
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cd
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rails _6.1.3.1_ new sample_app
完了まで少し時間がかかるので待ちましょう。
※Railsアプケーションについては、次のカリキュラムで詳細に説明します。ここでは確認作業として手順に従ってコマンドを実行しましょう。
続いて以下のコマンドを実行して、アプリケーションフォルダが作成されているか確認しましょう。
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ls
画像のようにsample_app
が表示されたら、アプリケーションが作成できています。
sample_appが作成されていたので、cdコマンドでカレントディレクトリを変更します。
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cd sample_app
カレントディレクトリをsample_app
に変更した状態で、以下のrails s(rails sever)を実行しましょう。
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rails s
動画のようにUse Ctrl-C to stop
まで表示されたら起動完了です。
続いて「http://localhost:3000」にアクセスすると、Railsアプリケーションが動作します。
画像のように表示されたら、問題なく起動できています。
サーバーを停止するには、ターミナルでcontrol
+ C
を押してください。
コマンドを実行すると、画像のようにサーバーが停止してプロンプトが表示されます。
これでRuby on Railsの環境構築は終わりだね!!
次のカリキュラムで本格的にRailsアプリを作成するから、今回作成したsample_app
は以下のコマンドを実行して削除しておこう
順番に以下のコマンドを実行して、アプリケーションフォルダを削除します。
1
cd
1
rm -r sample_app
1
ls
さいごに
この章ではローカル環境にRuby on Railsの開発環境を用意する方法、PATHの通し方、必要なソフトウェアの特徴について学びました。特に「PATHを通す」の概念をきちんと理解できていれば、コマンドが使えないというエラーにも正しく対処することができます。
次の章では、いよいよカリキュラム用のアプリケーションを作成していきます。
この記事のまとめ
- ローカルとは、ネットワーク越しに存在しない特定の狭い範囲のこと
- 大半は、自分の手元で直接操作できるコンピュータをローカルと指す
- ローカル開発環境の構築とは、開発に必要なソフトウェアをローカルに導入し、Webアプリケーションを動かせるように設定すること